ゆうゆうレポート

雇用の取り組みを視察―若者サポートステーション、キャリアサポートかわさきへ

2012年2月28日

2月3日、溝ノ口にある「若者サポートステーション」、「キャリアサポートかわさき」を視察しました。

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○若者サポートステーション

所長さんに、苦労していることなど含め、詳しくお話を聞くことができました。
厚労省の委託事業であり、他の自治体のサポートステーションは、青少年課、福祉課などが対応しているが、川崎市の場合は経済労働局の所管のため、企業と関係が作りやすい、ということでした。
11人のスタッフで運営し、大学に行けずに中退を考えている若者、子どもの自立に悩む親などの相談にのり、ニート・ひきこもりの若者を支援し、最終的には半年までに就労することをめざしています。
スペースが狭くて相談内容が隣の相談者に聞こえてしまうため、音楽を流したり、模様替えなどで工夫をしながらやっている、とのことでした(写真は引きこもりなどの青年対象のプログラムで「自分のやりたいこと」を書きだしたもの)。

・なかなか進路が決まらなかったAくん

「どこにも就職決まらない」と、進路指導の先生と一緒にきた高校生・Aくんのケースを紹介していただきました。ハローワーク川崎北の協力で保護者とも話し、「学校・本人・ハローワーク・若者サポートステーション」の4者が連携して土台をつくり、本人も履歴書を見て、ハローワークに行って努力した結果、3つ受けたうちの1つの製造業の企業に3月14日、無事内定したとのことです。
所長さんは、高校中退の方はひきこもりやニートになりがちなため、そういう方たちの援助に力を入れたい、と話していました。

・学校との連携、今後の課題

学校との連携強化が課題で、「私たちのプログラムで仕事を自分で探せるようになった、という方も一定いる。高校生の進路先として『若者サポートステーション』を考えてもらえれば。出口が決まらない1人を大事にしていきたい」「将来的には、札幌市、横浜市などのように、定期的にどこかの学校で相談ブースをおいて、先生を中心にしながら私たちも協力して相談できれば、と考えている」とのことでした。
しかし、「学校側は3年先までスケジュールを決めている。一方、私たちは1年毎の委託のため『3年後はわからない』と言わざるをえず、連携がしづらい」とも話していました。

・「若者サポートステーション」視察を終えて

「私が企業にいたとき、当時の企業は私のことを育ててくれた。でも今は違って『即戦力志向』、少子化が進む中、若者に寄り添ってニートを減らして、税金を払える人が増えるような社会にしていきたい」と、所長さんがこの事業への思いを話してくれたのが印象的です。
時間はかかっても、自分を肯定する感情が持てずに苦しむ若者に寄り添って、励ましていくスタッフのみなさんの努力に敬服しました。こうした重要な事業が1年ごとの委託では思い切った取り組みができません。経験を蓄積しているNPOなどが中長期的に取り組むことが重要だと感じました。
いくつかの協力企業が生まれていて、職場見学やトライアル雇用などを通じてゆるやかに若者が正規雇用まですすめるような取り組みが始まっています。川崎市がこうした協力企業を増やすように積極的に働きかければ、もっと若者の雇用の場を広げられるのではないかと思いました。

○キャリアサポートかわさき

川崎市が委託している会社の担当者の方、『キャリアサポートかわさき』常駐のキャリアカウンセラーさんにお話をうかがいました。
委託を受けてから約3年、産業振興会館で「総合相談窓口」として、仕事を辞めた人の心のケア、転職支援などを一貫して援助し、セミナーをしています。求人開拓員が企業に訪問して求人を得てハローワークの縮小版のような形で、無料職業紹介、1対1でのキャリアカウンセリングを行い、毎週土曜には臨床心理士によるカウンセリングも行っているそうです。
「長く勤められるのは何か」「どんな仕事をしたいのか?」などを聞いて、本人の希望に合う形の就労をしていく努力をされており、個々の方と1時間くらいの相談を2・3回してマッチングしているそうです。最終的に就職できた場合も定着のためのフォローを行っています。

・関係機関との連携

月1回、労働雇用部・『若者サポートステーション』・『キャリアサポートかわさき』で情報交換の会議を開いているので、若サポは就職に踏み出すまでの支援、こちらは本当の意味での再就職支援、とこの間すみわけができるようになってきた、とのことです。

・厳しい就職状況のもとでの求人開拓

正社員の求人減、選考も厳しくなり、書類選考で何度も落とされている人が増えているそうです。最初の段階で希望をなくし、正社員希望をあきらめている、という可能性もある、と話してくれました。
国・市の援助を受けて雇用している求人開拓員の努力で、ハローワークでは有効求人倍率1倍に行かないなか、3倍以上の求人を開拓してきた、とのことです。「開拓員は次年度も同じ人が続けてやるのでしょうか?」と聞くと、本当なら同じメンバーで続けたいのですが、一年契約なのでなかなか大変、とのことでした。

・「キャリアサポートかわさき」視察を終えて

不況の中の企業をまわる求人開拓員さんは大変な仕事です。みなさんの奮闘で川崎市の事業として3倍もの求人を開拓しているのは重要だと思いました。これほど重要な仕事は「一年契約」ではなく継続的に雇用して取り組んでもらうべきだと思います。また、正規雇用の比率を高めたり、川崎市内の企業の求人を増やすことなども課題だと思いました。
なにより、厳しい雇用情勢のなか相談活動を行うスタッフの方々の苦労が言葉の端々ににじんでいました。川崎市が先頭に立って求人開拓をおこない安定した正社員中心の雇用をつくることが求められていると感じました。

「若者サポートステーション」「キャリアサポートかわさき」の視察で学んだことをいかして、ひきつづき議会でもとりあげていきたいと思います。