ゆうゆうレポート

TVKテレビ川崎市議会座談会「予算議会を前に・・・」に出演しました。(2月13日)

2013年2月19日

IMGP0706   新年度(2013年度)予算は、一般会計5,984億円余(前年比0.5%増)、特別会計4,914億円余(11.9%増)、企業会計2,062億円余(3.2%増)と合計総額は1兆2,961億円余(5%増)です。

(以下発言内容)

○阿部市長は、 「新たな飛躍』予算というが、・・・私たちはその陰で「市民生活置去り予算」と命名

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昨年私たち議員団が実施した「市民生活アンケート」で、ここ数年で「生活が苦しくなった」と答えた方は約7割にのぼります。人口増で個人市民税が増えてはいますが、高額所得者と低所得者が増えて格差が広がっています。市民の生活が厳しさを増している中、中小業者を含め市民生活を支える施策が求められています。しかし、新年度予算案は、国際戦略拠点の形成など大規模事業に特化した予算がきわだち、生活が苦しくなったという市民の声に応えた施策になっていません。市長は、新年度予算について「新たな飛躍」と命名しましたが、大規模事業については「飛躍」であっても市民は置去りにされたままの予算と言わざるをえません。

○新年度予算の出来 注目する事業、不足と感じる施策は

注目する事業についてですが、子育て分野では、中部小児急病センターの中原区での整備、病児保育施設整備、児童虐待対策、通学路の安全対策や再生可能エネルギー対策への補助などがあげられ、私ども議員団が求めてきた事業がもりこまれました。また、防災対策についても、備蓄物資の確保、避難所設備の整備や災害時の児童生徒対策など、議会で繰り返しとりあげ、新年度予算に生かされてきたことは、一定評価できる内容だと思います。

しかし、防災の予算は、災害がおきた時点での支援が中心で、不十分です。川崎市の防災対策は、市民の命と財産を守るための予防対策という視点が欠けた予算であることを指摘せざるをえません。東日本大震災を教訓に、抜本対策が自治体に求められています。川崎市は、臨海部に巨大な石油コンビナートをかかえ、東日本大震災ではこの地域一帯で液状化現象がおこりました。直下型の地震がおきればコンビナート火災など大事故になる危険が予測され、市民の命を守るために予防対策はかかせません。私たちは、側方流動、護岸被害も予測されるとの研究調査を示し要望してきましたが、こうした対策はまったくありません。コンビナート防災対策、津波対策など、市民の命と財産を守るために予算を抜本的に切り替えていくべきです。IMGP0754

また、予防対策ということでは、住宅の耐震改修は、災害の広がりをおさえるのに効果が高いことが明らかになっています。しかし、緊急性のある木造住宅等の耐震改修は、対象件数がおよそ2万件にも及ぶのに、わずか175件分しか予算計上されていません。建物倒壊や火災から市民の命を守るために効果的な木造住宅耐震改修制度を使い勝手のいいものに改善しながら規模とテンポを抜本的に引き上げるべきです。

まちづくりの方向性

大きく2つの点について、のべさせていただきます。

まず1つは、大規模事業が優先で市民生活を温める独自策が不十分ということです。市長が「新たな飛躍」として、真っ先にかかげているのが、「京浜臨海部における国際戦略拠点の形成」です。国立医薬品食品衛生研究所の土地購入費など21億3700万円、また、船の来ない港への3機目のガントリークレーンに約8億円、1000人規模のコンベンション施設を複数つくる予算も計上され、不要不急の大規模事業に優先した予算になっています。その一方で市内中小零細事業への支援は、融資を除けば工業・商業・農業、雇用対策費を入れても、約38億円でしかありません。

何よりも地域経済を活性化させる施策が必要です。先日、従業員6名をかかえる地元の部品メーカーの社長さんからお話を伺いました。「経営状況は危機的です。自分の給与も出ない」「それでも部品をつくらなければ、多くの事業者に迷惑をかける」と必死に頑張っています。市内製造業の73%は、従業員9人未満の小規模模事業者です。川崎のものづくりを支えているこうした企業にこそ支援がなければ、川崎の地域経済は成り立ちません。工場家賃などの固定費への直接補助、借り換えや公的融資の条件緩和など、実効性のある支援策が必要です。

商業振興事業費には、街路灯の老朽化などを調べる商店街施設状況調査費500万円が計上されましたが、これ以外は、地域商店街を支援するエリアプロデュースやイベント補助金など、のきなみ削減です。商店街活性化をはかるためにも「プレミアム付き商品券」の補助など実施すべきです。町場の建設業の振興と経済活性化に効果が高い住宅リフォーム助成制度を創設すべきです。

雇用対策では、国の補助金だのみのわずか142名の緊急雇用対策で、雇用を創出する独自策はありません。不足している教員などの公務労働者を増やし、保育園・特養ホームなどの福祉施設を増設し、地域密着型で雇用をうみだすべきではないでしょうか、

そして2つ目は、子育て、老後安心・福祉・暮らし優先の施策になっているのかという点です。

大庭グラフ高齢者施策では、横浜市と比較すると、横浜市の人口は川崎市の2.5倍ですが、特養ホームの待機者は川崎が5595人と横浜よりも多くなっています。この8年間をみても開所した箇所数は横浜市より少なく、2012年度は400床の開所計画でしたが結果的にゼロで、新たに開設しなかった年度が3回もあります。新年度は新設予定が3カ所で、抜本的にテンポをあげて増設すべきです。

TV討論パネル2013年大庭子育てでは、私たちが取り組んだアンケートの要求で一番多かったのが、中学校給食です。「小学校のような給食を中学校で実施してほしい」は67%と圧倒的でした。すでに全国の公立中学校の82%で実施され、市PTAも署名行動にふみだしました。新年度からでも実施する方向をうちだすべきです。小児医療費無料化については、所得制限をなくして中学校卒業までの無料化は、東京都内では当たりまえです。川崎市でも実施すべきではないでしょうか。教育では、いじめや不登校などの問題解決が求められる中で教育の根幹となる少人数学級の拡充が必要です。

今後の市政課題

自治体の役割は、住民の福祉と暮らしを守ることです。この原点に立ち返って予算を検討すべきです。今川崎市に求められているのは住民の命を守る防災対策、不況による経営不振、就職難、収入減など将来不安を抱えながら暮らす市民を応援し、命と健康・安心安全を保障することです。税金の使い方を福祉暮らし型に転換して、特養ホームの大量増設、住宅リフォーム助成の創設をすすめ、地域を活性化させ新たな雇用をうみだし税収を増やすことを基本にすえるべきです。不要不急の大規模事業への支出を中止凍結するなど歳出を抜本的に見直しして財源を確保し、市民生活を守ることこそ必要です。その立場で、予算の在り方について建設的な提案をおこない、予算議会にのぞんでいきたいと思います。