議会活動報告

3月8日に開催された神奈川県後期高齢者医療制度広域連合議会定例会の質問と討論の全文を掲載しました。

2014年3月10日

(1)議案第 1号 後期高齢者に関する条例の1部改正(保険料算定) 質疑

__ (17)(大庭 質問)

私は、通告に従い、林広域連合長に、提案された議案第 1号に関連して質問をいたします。本議案は2年ごとに行われる保険料率の改定にあたり、所t割率を8.01%から 8.3 0 %へ、均等御山額を年額4万 10 9 9円から 4万2 5 8 0円へと、それぞれ3.62 %、 3.60 %引き上げ、賦課限度額は55万円を 57万円に2万円上げるというものです。また、保険料の軽減対策として、保険料の均等割を5割軽減と2割軽減の対象を拡大し、5割軽減の対象には単身世帯も含めるとしました。この効果もあり、一人当たりの平均保険料は 90,164円となり 396円減額と若干引き下がるものの、 80数%の方々は引き上げられます。後期高齢者医療制度が導入されて 6年、当初(2008年)の舗,890円の保険料は改定するたびに上がり、この間に 4670円も引き上げられてきました。

今回の算定は、医療給付費の伸びに伴う保険料率の引き上げとなっていますが、①高齢者にとっては、年金受給額の引き下げ、消費税税率の引き上げ、介護保険の負担増など、高齢者の生活に深刻な影縛をもたらすものです。こうした高齢者への影響について、連合長はどんな見解をお持ちか伺います。

林連合長 答弁

① 保険料率改定に伴う高齢者への影響に係る見解について・・・ 保険料率改定に伴う高齢者への影響についてですが、高齢化の進展や、医療の高度化などによる1人あたり医療費の増加などにより、医療給付費が伸びていることから、保険料で負担していただく額も増えていくことが避けられない状況です。こうした中で、本広域連合としましては、 4月からの消費税率引き上げや特例水準解消に伴う年金支給額の減額の影響を苦慮して、剰余金及び財政安定化基金の活用や賦課限度額の引き上げにより、保険料率の急激な上昇の抑制を図りました。

大庭 質問

保険料の増加抑制策には、剰余金の活用と財政安定化基金の活用等があります。今回の改定では、剰余金60億円と財政安定化基金15億円、合わせて75億円を活用して、均等割り額を 7.5 5 %増から 3.60%増に、所得割率を 8.49%増から3.62%増に、それぞれ引き下げて、軽減策をはかるとしています。そのーつである剰余金については、厚労省からの事務連絡で唄オ政運営期間を通じて生じた剰余金は、原則、次期財政運営期間における収入として繰り入れられるべきもの」「平成24・25年度に生じると見込まれる剰余金について、その全額を収入として計上を」と指示がされています。剰余金の年次別推移をみると 2012年(H 24年)度末7 6億脇00 万円、 2013年(H25年)度末見込みとして 60億円とあります。②なぜ、60億円しか投入しないのか。伺います。

林 連合長答弁

② 剰余金60億円の投入について・・・  剰余金釦億円の投入についてですが、国の通知では、24・25年度に生じると見込まれる剰余金については、全額を、収入として計上することとされています。本広域連合では、医療給付費及び国・県・市の負担金とうの動向等を精査し、 24・25年度の財政運営期間を通じて生じる剰余金を、60億円と見込んだものです。

大庭 質問

財政安定化基金からの交付については厚労省からの事務連絡によると 「保険料増加抑制のために財政安定化基金からの交付を見込む場合には、各都道府県と協議」するよう指示がされています。同時に財政安定化基金への拠出率については「平成26 ・27年度の標準拠出率については、・・現時点で 10万分の44と見込んでいる」「各都道府県においては、標準拠出率を標準として、平成25年度末財政安定化基金残高、平成26・27年度交付・貸付見込み額、平成27年度末の積立金残高として各都道府県が必要と判断する額等を踏まえ、拠出率を定めていただきたい」との、指示があります。財政安定化基金の制度開始以降の積み立て・取り崩しの年次別推移をみると、2013年(H25年)度末残高は 77億 3900 万円余となっていますが、③なぜ 15億円にとどめたのか。また、④2014~2015年度(平成 26年から 27年度)の拠出率をゼロにして、保険料算定基礎から除くこととしていますが、それとは別に残高全額を取り崩して、標準拠出率で新たに積み立てる方が、保険料上昇抑制効果が上がるのではないのか、合わせて伺います。

林 連合長答弁

③ 財政安定化基金の活用額について・・・財政安定化基金の活用額についてですが、県では、保険料不足などの財政リスクに備える本来の目的のため、 26・27年度の各年度における保険料賦課総額の3%の合計である約60億円を残高として確保し、管理していくこととして、27年度に 15億円を上限とした基金を活用することになったものです。

④ 財政安定化基金の全額取り崩しと新たな積み立てによる抑制効果についてですが、国の通知では、基金の活用について、県と協議が必要になること、また、次期改定時に保険料の増加要因になり得るので留意すること、などが示されています。県の基金の考え方については、保険料不足などの財政リスクに備える本来の目的のため、必要とされている約60億円が確保されていることから、26・27年度の基金への新たな積み立ては行わないとのことであり、本広域連合は、これに基づいた対応を行っています。

大庭 答弁

また、神奈川県や県下市町村の協力を得て、一般財源を投入していただくことも、保険料増加抑制になります。東京都の広域連合は、財政安定化基金拠出金、審査支払手数料、葬祭費支給、保健事業等に都と区市町村の負担の協力を受けて保険料全体の縮減を図っています。前期の厚労省からの事務連絡では、広域連合から要請があれば県や市町村は積極的に答えるよう、⑤指示していたものです。ところが、本連合は「これ以上の協力は困難」として、要請すらしていないのではありませんか。要請すべきです。伺います。

林 連合長答弁

⑤ 県や市町村に対する財政支援の要請について・・・県や市町村に対する財政支援の要請についてですが、後期高齢者医療を運営していくための財政の仕組は、国が定める基準に沿っており、法定の負担に加え、県及び市町村にさらなる負担を依頼することは、現下の厳しい財政状況を踏まえると、困難であると芳えています。

大庭 質問

後期高齢者数は、今後も団塊の世代が75才を迎える2025年のピークまで増加し続け、 2014・2015年度(H26・27年)においても、後期高齢者数が増えて医療給付費は、年約6%の割合で上昇すると想定されています。下げる努力をし続けない限り保険料は際限なく上がり続けることになります。当初「給付費の1割」といっていた保険料負担割合は、 10.73 %と 1割を超えて11%になろうとしています。そのため 2014・2015年(H26・27年)度の保険料は、通常通りに算定をすれば、一人あたり 94,318円となり、 2012・2013年(H24・25年)度より3.7駆円増加することになります。⑥国との関係では、調整交付金8%のうち65%相当しか措置されないとしており、その減額分の是正要求を行うべきです。伺います。

林 連合長答弁

⑥ 財政調整交付金減額分の国への是正要求について・・・財政調整交付金は、都道府県間の所得水準の格差による財政の不均衡を調整するためのものであり、本県では所得水準が高いことから、交付金が減額されています。この算定方法については、「全国協議会」を通じて、各広域連合間の不公平を生じさせないよう、あり方について改善を図ることの要望を毎年行っております。今後も、協議会を通じて要望を続けていきます。

大庭 質問

そもそも後期高齢者医療制度は、医療給付費の伸びに伴い保険料率が上昇する仕組みですから、後期高齢者数が増加していけば医療費が上がる制度には変わりありません。神奈川県の所得階層別の被保険者状況をみると所得加200万円未満までの収入の方は認.5%と9割近くを占めていることからも、苦しい生活を強いられながら暮らしている高齢者に追い打ちをかけるのが、後期高齢者医療制度です。⑦後期高齢者医療制度は廃止をして、以前の老人保健制度にもどすことを国に働きかけるべきです。伺います。

林 連合長答弁

⑦ 後期高齢者医療制度廃止に係る見解についてですが・・・本制度は、かつての老人保健制度が抱えていた課題が改善し、財政運営の安定化と世代間の負担の公平化が図られた制度であり、少子高齢化が進む中で、増大する高齢者の医療費を公費、現役世代、高齢者で、その能力に応じて負担する仕組については、今後も維持されるべきものと吉えています。国では、「持続可能な社会保障制度の確立を図るための改革の推進に関する法律」に基づき、必要に応じ、制度のあり方について、見直しに向けた検討を行うこととしていますので、本広域連合としましては、今後の議論の推移を注視していきます。

(2)議案5号 一般会計予算反対討論

大庭 討論

川崎市の大庭裕子です。私は議案5号一般会計予算に反対し、討論を行います。主たる反対の埋由は、全ての市町村から広域連合議会の議員が選出され、職責を担う予算になっていないことです。広域連合議会制度がはじまって 6年目を過ぎようとしていますが、保険者が都道府県単位の「広域連合」であることが、国民から見えづらく、「保険料が高すぎる」などの意見があっても反映されにくいものになっています。広域連合の提案に対して意見を言いたくても「広域連合」や「連合議会」が住民から遠いために、その声がなかなか届かないというのは大問題です。広域連合が高齢者の生活実態を十分把握して、対応することができない組織体制であるのに、連合長は「制度が定着している」と、無責任に制度を存続しようとするものです。神奈川県は 3つの政令市を含め33の市町村がありますが、市町村を8つのブロックわけ、ブロックごとに人口に応じた数の議員が選出されるため、政令市以外では議員がいない市町村の方が多くなっています。すべての市町村から事務費・負担金を徴収していながら、その運営をチェックすることができない自治体があることを認めるわけにはいきません。最低限の保障が全市町村からの議員の選出であると考えますが、その定数を改善する意向を示した予算にもなっておりません。定数が増えれば予算は当然増えますが、必要なコストです。ところが、議会開催会場については、ホテルなどでの利用ではなく公的な施設を使うべきと議会のたびに指摘を受けながら、改善がさていません。必要なとところに予算を確保していくべきです。以上の立場から議案5号に反対し、討論を終わります。

(3)議案6号 特別会計予算 質疑

大庭 質問

私は、通告に従い、広域連合長に、提案された議案第6号に関連して質問をいたします。保険料率の引下げについては条例改正の際に質問してきましたが、関連して何点か伺います。

保険料納付に対する支援についてです。神奈川県は、東京についで全国で2番目に保険料が高い県です。2012年度の実滞納者数は 13926人と年々増加傾向にあります。 2012年(H24)度の不服審査請求件数の76.2%が高額な保険料に対するものであったとのことです。現行制度のもとで、保険料の引き下げや減免制度の拡充が強く求められています。ところが、県広域連合は滞納者に対して20松年8月から短期証の発行に踏み切りました。短期証の発行は、県全体では、2013年8月時点で 1038件となっています。①短期証を発行することで、高齢者の受診抑制につながることは、危惧されなかったのか、現状について、伺います。

林 連合長答弁

① 短期証の発行について・・・短期証の発行についてですが、短期証は被保険者間の負担の公平を図ることを目的に、保険料を滞納している被保険者との納付相談の機会を増やし、保険料の納付につなげるために交付しています。短期証の交付にあたっては、事前に除内付相談のお知らせ」と「市町村窓口で保険証を更新する手続きのご案内」を送付し、重ねて納付相談の機会の確保と保険料の納付ができない事清の確認に努めています。短期証は、有効期間が6か月間と通常の被保険証より短いことに違いがあるだけで、医療を受ける機会を抑制するものではないと認識しています。

大庭 質問

私が住む川崎市では、短期証発行数が最も多く395件で全体の38%を占めました。高齢者人口の多い横浜市でも86名と川崎より少なく、また、綾瀬市の短期証の発行は0件です。その綾瀬市の滞納者への対応は「自宅訪問により定期的折衝しているため、すべての被保険者除外した」とのことです。対面することで実情を把握することができ適切な支援が可能と考えますが、②川崎市の対応と合わせて見解を伺います。また、 ③対応の在り方にも問題である短期証は発行すべきではありません。伺います。

林 連合長答弁

② 短期証の活用と川崎市の対応について・・・短期証の活用と川市町村ではそれぞれの状況に応じ、これまで積み上げた独自の手法で収納対策に取り組んでおり、短期証もこうした取組の中のーつの手段として活用できるようにしています。

③川崎市も同様に、様々な取組とともに短期証を活用し、重ねて対面による納付相談の機会の確保と被保険者の実情把握に努めているものと認識しており、本広域連合としましては、今後も、短期証の活用を図っていきたいと考えています。

大庭 質問

減免制度については、神奈川県では、 2013年度(H25年) 12月時点で114件が減免制度を活用していますが、そのうち災害による減免が111で、④収入による減免は2件です。なぜこれほど少ないのか、見解と対応を伺います。⑤周知徹底について、伺います。滞納となる層の多くは、法廷軽減対象を少し上回る所得階層に属する普通徴収者とおもわれるために、中所得者向けの減免制度の創設を要望しておきます。

林 連合長答弁

④ 保険料の減免に係る対応と見解について・・・本広域連合の保険料の減免制度についてですが、災害により著しい損害を受けた場合のほか、長期入院、事業等の休廃止、失業などにより収入が著しく減少したことにより、保険料を納付することができない場合に救済することを目的としています。なお、低所得者の方については、法定軽減及び特例軽減が適用されるため、減免制度の対象外となっています。今後も、現行の規定のなかで対応していきます。

⑤ 保険料の減免制度の周知についてですが、これまでもガイドブックや小冊子、ホームページ等で広く周知を行い、くわまた、詳しい減免基準については、市区町村窓口での個別の相談時に十分な説明を行っています。今後も引き続き、制度の周知に努め、適切な運用を行います。

大庭 質問

保健事業についてです。保健事業受診率の向上によって、病気の早期発見、早期治療により医療費の削減につながります。ところが、 2014年(H26年)度の見込みを 2 5 %とし、前年度に比べて予算額は913万円減額しました。これまでの受診率の実績を老慮したとのことですが、受診率向上に向けてのやる気が感じられません。⑥なぜ減額したのか。 2012年度器.21%という低受診率になっていることと合わせて、見解を伺います。

林 連合長答弁

⑥ 健康診査について・・・健康診査についてですが、健康診査事業の財源として、保険料が充てられることから、 26・27年度保険料への影響を苦慮し、これまでの受診実績を踏まえて、鈴年度の目標受診率を25%に設定しました。受診率は、22年度以降、22.77%、22.90%、23.21%と、毎年度、上昇を続けており、引き続き、市町村と連携して、生活習慣病の早期発見と重症化予防のため、必要とする方が受診できるよう取り組んでいきます。

大庭 質問

齢者の命と健康を守る責任ある長として、各自治体任せにすることなく、受診率が50%を超えている藤沢市、茅ケ崎市、綾瀬市、愛川町など⑦高受診率を維持している自治体の取組に学ぶべきではないでしょうか、伺います。こうした自治体の取組を普及し、受診率を引き上げる努力をすべきです。見解を伺います

林 連合長答弁

⑦ 健康診査受診率向上の取組について・・・・健康診査受診率向上の取組についてですが、県内市町村全体の受診率向上を目指して、受診率が高い市町村が行っている取組である、実施期間の延長や、がん検診との同時実施などの推奨事例を紹介することにより、各市町村の取組を支援しています。今後も市町村と連携し、受診率の向上に取り組んでいきます。

大庭 質問

健康づくり、介護予防についてですが、今まで国保に加入していた人が、後

期高齢者医療制度に変わったことで、プールやスポーツ施設を利用できなくなってとの声がよせられています。⑧各地の国保や健保組合が実施している健康づくりなどの事業を広域連合として行うべきではないでしょうか、伺います。

林 連合長答弁

⑧健康づくりの事業について・・・健康づくりの事業についてですが、被保険者の健康維持のため、長寿・健康増進事業において、健康増進施設利用補助や人間ドックの費用助成など、各市町村が地域の実情に応じて実施する事業に対して、補助金の交付を行っています。

大庭 質問

葬祭費についてです。葬祭費というのは、被保険者の葬祭を行なった方に支給がされるために、「広域連合が保有する情報ではこの対象者を正確に特定することはできない」と、前連合長が答弁をされています。そのため、神奈川県では、特別に、葬祭費の勧奨はされていないようです。県は「広域計画」の中で「葬祭費などの支給」は「広域連合が担う事務」として定められているわけですから、活用できる制度を有効に使うことができるようにすべきではないでしょうか。⑨納付書や領収済み通知書などを郵送する際お知らせの文書を同封するなど、周知していくことなど検討できないか。見解と対応を伺います。

林 連合長答弁

⑧ 葬祭費の勧奨について・・・・葬祭費の勧奨についてですが、支給対象者である、「被保険者の葬祭を行った方」について、広域連合では正確な特定は困難なこと、また、各医療保険制度においても同様の制度があり社会通念上一般的に広く認知されていることから、個別勧奨を行っていません。制度については、市区町村窓口やガイドブックなど、様々な機会を通じて周知を図っています。

最後に、提案も含めて質問をさせていただきました。この制度は、長年、税金を納め、社会のために貢献してきた高齢者の方々は、 75歳になったということだけで年齢で区切らされて、別枠の医療保険制度に移され、高い保険料を支払い続けなければなりません。所得加0万円未満の方々が9割近くを占め、どれだけ不安をかかえながら高齢者の方々が生活をしているかを吉えるべきです。後期高齢者制度はすみやかに廃止をし、新たな医療制度ができるまで老人保健制度にもどすことを国に働きかけることを求め、私の質問を終わります。