9月議会・決算審査特別委員会・総務分科会(総務企画局関係)質問(1)備蓄・装備及び防災用資器材、避難所などについて(9月20日)
9月議会・決算審査特別委員会・総務分科会(総務企画局・経済労働局)で9月20日に(1)備蓄・装備及び防災用資器材、避難所など(2)就業支援事業など、について、質問しました。
順に掲載します。
大庭 質問①
●危機管理対策費について伺います。
避難所の備品についてです。
自然災害によって、避難所で生活を余儀なくされる現状が、全国各地でおきています。こうした災害を教訓にして避難所などの公的備蓄物資の品目や数量など、見直しがされていると思います。東日本大震災以降7年間で拡充し、または交換した主な品目などについて、伺います。
危機管理担当課長 答弁①
備蓄物資についての御質問でございますが、
備蓄の拡充につきましては、平成25年4月に、東日本大震災の教訓や地震被害想定調査の結果を踏まえ、備蓄計画を改定し、実施したところでございます。
主な改定としては、食物アレルギーに対応した食料品への変更、飲料水やバルーン型LED投光器の追加、帰宅困難者用備蓄や児童生徒用備蓄の新規位置づけ、また、備蓄倉庫につきましては、全ての避難所に独立型の備蓄倉庫の整備を進めることなどを定めたところでございます。
さらに、平成29年4月には、熊本地震への本市職員派遣から得られた課題や国の新たな計画等の策定などを踏まえ、プライベートテント、エアマット、携帯用トイレなどの資器材等の追加や数量の見直しとともに、簡易食料1食分の追加を行ったところでございます。
また、備蓄倉庫の環境整備につきましても、自主防災組織の方からのご意見を踏まえ、整理棚や人感センサー付きLEDライトの設置を進めているところでございます。
大庭 質問②
次に、電源の確保についてです。
廃棄業務委託料の40万7700円が支出されています。避難所に整備されている発電機を廃棄した費用とのことですが、具体的に伺います。
北海道の地震では、都市部の札幌市をはじめ全道にわたり、長時間の停電となりました。情報をえることができず、市民や観光客が不安な状況におかれた様子が報道されていました。スマホや携帯の電池が切れ、充電するために区役所など公的な施設に長打の列になって充電待ちをしている姿も映し出されていました。改めて、スマホや携帯などを利用し、伝達や情報を得ることが、私たちの生活にとって切り離せない社会になっていることを実感します。
川崎市でも同様な状況になることが十分考えられます。いつ電気が復旧するかもわからない中、緊急の対応が必要と思います。避難所以外での発電機の整備はどうなっているのか、また、蓄電の現状と今後の対応について伺います。ソーラーパネルなど備品に加えるなど、拡充すべきと思いますが、伺います。
危機管理担当課長 答弁②
発電・蓄電についての御質問でございますが、
はじめに、廃棄業務委託料につきましては、これまで故障や経年劣化で使用不可能となった発電機45台をまとめて処分したもので、廃棄にあたってはすべて代替機を配備しております。
次に、災害時の電力確保につきましては、医療、照明、情報収集等、様々な場面で電力が必要となることから、停電を想定し、各施設において非常用電源を確保するとともに、災害時協定を締結しているところでございます。
しかしながら、供給し得る電力量には限界があるため、電力の使用に当たっては、救命救護等で必要となる電力を優先する運用となることが想定されます。
また、避難所以外における発電機・蓄電器などの整備状況につきましては、災害時の転用可能性も含め、今後全庁的に調査を進めてまいります。
なお、ソーラーパネルにつきましては、商品の開発動向等を踏まえ、今後、研究してまいります。
大庭 質問③
電力の確保のため、避難所以外の整備状況について調査をすすめ、また、ソーラーパネルについても研究するとのことなので、すみやかにお願いしたいと思います。
次に避難所内でのプライバシーについてです。
わが党の代表質問で国際赤十字の災害や紛争時の避難所について基準を定めた「人道憲章と人道対応に関する最低基準」「スフィア基準」を取り上げました。 基準の事例として、一人当たり3・5平方メートルの広さ、世帯ごとに覆いある空間を確保することなど紹介をし、生活の場となる避難所は、人権が守られなければならないとし、根本的な検討を求めました。避難所の人権について、改めて見解を伺います。
危機管理担当課長 答弁③
避難所でのプライバシーについての御質問でございますが、
本市における避難所運営では、自助・共助・公助による適切な運営を目指しておりまして、公平を原則として、高齢者、障がい者、乳幼児、妊産婦など配慮が必要な避難者や男女双方の視点など、避難者の状況に応じて柔軟に対応することとしております。
大庭 質問④
避難所の人権についての見解については、明確なお答えはありませんでした。しかし、学校を避難所として、利用するのであれば、それにふさわしい環境と整備は最低限が必要です。
避難所でプライバシーが守られる備蓄・装備などはかられているのか。女性、高齢者、障害者、LGBTなどの配慮がどのように、この間進められてきたのか、伺います。
危機管理担当課長 答弁④
避難所におけるプライバシー確保についての御質問でございますが、
本市では、これまでも備蓄計画の見直しの中で、食物アレルギーに対応した食料品への変更、エアーマットの整備などを進めてきたところでございまして、平成29年2月1日には、東日本段ボール工業組合と「災害時における段ボール製品の調達に関する協定」を締結し、避難所の間仕切り用の段ボールの供給体制を確保するとともに、各避難所にプライベートテントを配置するなど、避難所におけるプライバシー確保のための取組を進めてきたところでございます。
また、本年8月には避難所運営マニュアルを改定し、被災世帯登録票における性別表記の見直しなど、要配慮者や性別に配慮した施設の使い方や避難所の運用を定めたところでございます。
大庭 質問⑤
2年前、川崎市防災訓練が行われた際に、プライバシーを守れるよう紙管の枠組みと布を使って間仕切りをしてスペースを確保するブースがありました。 先週、札幌市清田区の避難所で、同様の仕切りがされたとのことです。本市でもこうした、間仕切りを具体化すべきと思いますが、伺います。また、それに代わるものを検討すべきですが、伺います。
危機管理担当課長 答弁⑤
避難所での間仕切りについての御質問でございますが、
本市では、東日本段ボール工業組合と、段ボール製の間仕切り等を発災時に可能な限り供給していただくよう協定を締結しているところでございます。
段ボールの間仕切りや、紙管の枠組みと布を使った間仕切り等につきましては、それぞれメリット・デメリットが存在することから、今後につきましては、そうしたことを踏まえ、避難所における、より良好なプライバシーの確保に向け、研究を進めてまいります。
大庭 質問⑥
ぜひ、お願いします。
次に避難所のトイレ環境についてです。
専門家は、トイレ環境が悪いために、被災者が水分摂取を控える原因となって体調を悪くするとし、仮設トイレの環境改善の重要性を指摘しています。
先ほども、市古委員からも、避難所トイレについての質問がありました。ここ数年間で様々な災害を経験し、多くの人たちの中でもトイレが重要であることの認識が深まっています。
私からも提案ですが、今回の地震で、一部の避難所に快適性を重視して開発された「コンテナ型」や「障害者のための福祉トイレカー」が配備され、被災者から好評であると新聞報道で紹介されていました。「コンテナ型」は、様式の水栓トイレを備え、男女別に区切られているため女性も使いやすいとのことです。「福祉トイレカー」は、苫小牧市が2016年に公用車として導入し、被災地に駆けつけました。2tトラックの荷台部分が障害者用トイレになっており、昇降用リフトも装備しています。(写真 しんぶん赤旗より)本市においても、必要なところに装備することができないか、伺います。
危機管理担当課長 答弁⑥
「福祉トイレカー」等の導入についての御質問でございますが、
使い勝手や快適性を考慮した可搬型のトイレについては、コンテナ型や福祉トイレカーなどそれぞれの特長を活かし、各地の災害現場等で利用されている実態があることを踏まえ、本市におきましても、 9月1日に九都県市合同防災訓練の一環として開催した「備える。フェスタ」で、「一般社団法人助けあいジャパン」のトイレトレーラーを出展していただいたところでございます。
今後も災害時のトイレ対策のーつとして、他自治体や商品開発の動向を注視し、購入・維持費用などのコスト面や通常時の保管場所等も考慮しながら、研究を進めてまいります。
大庭 質問⑦
トイレカーについても、研究をすすめるということなので、備える方向でお願いします。
次に、避難所運営会議・訓練についてです。
過去3年間の開催状況について伺います。開催が、未開催だったところは、何件だったのか。開催できない要因、課題について、伺います。
各避難所運営会議との意見交流の場などの機会があるのか。また、各区の危機管理体制を中心に自主防災組織や避難所運営会議への支援を行うと聞いていますが、特に発災直後には、地域における具体的な被害想定や課題を共通認識としてとらえ防災力を強化が図ることが重要とのことです。そのためにコーディネート機能の強化を検討するとのことですが、具体的に伺います。
危機管理担当課長 答弁⑦
避難所運営会議・訓練についてのご質問でございますが、
はじめに、過去3年間の全市における避難所運営会議の開催状況につきましては、平成27年度の開催率は65%、28年度は68%、29年度は82%となっております。
また、避難所運営訓練の開催状況につきましては、平成27年度の開催率は36%、28年度は47%、29年度は68%となっております。次に、過去3年間において未開催の避難所運営会議は4力所でございまして、開催できていない理由につきましては、運営会議の構成員の交代を機に活動が縮小したことや、他の避難所運営訓練に参加し、避難所独自での開催を行っていないことなどと伺っております。
次に、避難所運営会議間での意見交流の機会につきましては、各区の取組の中で、地域の方々と学校関係者も交えた全体会を行っているほか、毎年1月に行われる防災シンポジウムにおいて、自主防災組織の方々による先進的な取組等の事例発表を行うなど、意見交換を通じた情報共有を進めているところでございます。
次に、自主防災組織等への支援につきましては、今年度から新たに区役所の危機管理担当に消防局の係長級職員を配置し、消防職としての知識や経験を活かしながら、地域の特性や実情を踏まえた実践的な訓練となるようコーディネートし、地域防災力の向上を目指しているところでございます。
大庭 意見要望
大規模な避難体制が敷かれた場合、マンパワー不足で市の災害対応能力が脆弱となり、公的責任が十分果たされないなど、避難体制の欠陥が浮き彫りになっています。今年度から、区役所に危機管理担当に消防局の係長職員を配置したとのことです。行政の公的責任をしっかりと果たしていけるようお願いします。