議会活動報告

2019年川崎市議会第5回定例会・一般質問(その2)

2019年12月20日

(2)補聴器購入の補助と補聴器にかかわる専門家の活用等についてです。

一般質問に立つ大庭裕子議員

2019年川崎市議会第5回定例会で一般質問に立つ大庭裕子議員(12月16日月曜日)

質問①
 9月議会の我が党の代表質問で、加齢性難聴者の補聴器購入助成を求めましたが、引き続き、質問をいたします。
 妻の難聴が最近ひどくなったという男性から相談がありました。「家の中での会話が成り立たない。生活に支障がでている」とのことです。
 2015年の日本補聴器工業会の調査から推計すると、川崎市内の75歳以上の難聴者は、推定で約6万3000人です。本市は、難聴者が、市内で増えているという認識はあるのでしょうか、健康福祉局長に伺います

答弁①
加齢性難聴についての御質問でございますが、本市の高齢者実態調査におきましては、加齢に伴い聴覚に何らかの異常を感じる割合が高くなる傾向があるという結果がございますので、高齢者人口の増加に伴い、同様に増加しているものと推定しております。

質問②
 難聴の高齢者が増えているということです。
 ある難聴の方からは、「集まりにいっても、何を話しているかわからないので、外に出ない」とのことです。その方を良く知る方は、「認知症がひどくなるのではないか」と、心配しています。
 本市は、難聴が悪化すると、日常生活に支障をきたしていくこと、うつ病や認知機能の低下が進み、さらには介護の必要が伴ってくることもあると、とらえられているのか、伺います。

答弁②
加齢性難聴についての御質問でございますが、難聴と認知症等の疾病への影響やそれに伴う介護との具体的な関連性について、現時点では明確に示されているものがございませんので、本市といたしましては、国における研究結果を注視してまいりたいと考えております。

質問③
 認知症との関連性は、国の研究結果まちとの、答弁でした。
 しかし、世界保健機関は聴力が中程度からの補聴器使用を勧めています。加齢による聴力低下があっても早期のうちに補聴器を使えば聴力を取り戻せるといわれているからです。
 補聴器を現物支給している、江東区の担当者にお聞きしました。江東区では、この補聴器の現物支給制度は、1990年、29年前から実施しているとのことです。区のホームページには、どういうことが書いているかといえば、「耳が不自由なため、家族や地域の方とのコミュニケーションがとりづらい方に対して、よりよいコミュニケーションと積極的な社会参加をしていただくため」と、制度の説明が明記されています。これを読んだだけでも、本市の認識の遅れを感じざるをえません。
 さらに対象者は、①江東区にお住まいの65歳以上の在宅の方、②障害者総合支援法による補聴器の支給を受けていない方、③区で定める所得以下の方です。一人につき片耳4万5000円の補聴器を支給。予算2100万円を計上し、毎年400人前後の方に支給をしているとのことです。担当者は「18年前の2001年では、240人の支給でしたから、利用者は増えています」とのことでした。
 そこで、補聴器を調整する専門家についてです、
 本市では、更生相談所に言語聴覚士が3名を配置、そのうち補聴器の専門の担当者は1名です。更生相談所は、聴覚障碍者の方が補装具の調整・訓練をするため、加齢性難聴者は対象にはなりません。
 障害手帳を取得していない加齢性難聴者は、医療機関で聴力検査など行って診断をしてもらい、補聴器が必要となれば、直接、販売店で購入することになります。自分の耳にあった調整や訓練をする言語聴覚士などの専門家の診断が求められます。市内の3病院を含め体制と現状について、病院局長に、伺います。

答弁③
市立病院における老入性難聴への対応についての御質問でございますが、老入性難聴は、市立3病院の耳鼻咽喉科外来において受診が可能でございまして、川崎病院及び多摩病院につきましては、日本耳鼻咽喉科学会が委嘱する補聴器相談医の資格を有する医師がそれぞれ1名在籍しております。
なお、同学会によりますと、補聴器相談医は、市内では、市立病院以外に診療所を中心に46名いるとのことでございます。
また、市立病院には言語聴覚士も在籍しており、聴覚検査や礁下訓練などのりハビリテーションを実施することが主な業務となっております。
次に、老入性難聴は、一般的な疾患として診療所等での受診が可能であり、市立病院としましては専門的治療を要するケースなど、診療所等からの紹介を受けて、診療にあたっている状況でございます。

質問

 ご答弁では、川崎病院と多摩病院には、補聴器相談医の資格を持つ医師が1名在籍。3病院に言語聴覚士は在籍していますが、業務はリハビリが中心です。つまり3つの病院では、加齢性難聴者に補聴器を進めたとしても、診断や訓練、調整はしないとのことです。
 最近、補聴器を販売している眼鏡店が増えています。店員は「年金暮らしの人が多く『安い補聴器』を求める人が多い」とのことです。販売店には、指定を受けた補聴器の機能を教える認定補聴器技能者を配置しているところもあるようですが、言語聴覚士などの専門家がいるところはほとんどいないそうです。難聴の状態は人によって違うので、自分にあった補聴器を購入するためには、調整と訓練が必要です。せっかく数10万円もする高い補聴器を購入しても、それが自分の耳に合わずに、やめてしまい症状が悪化し、再び外出しなくなるということも多いと聞きます。
 江東区の体制はどうなっているのかといえば、江東区は医師会と連携し、区内の8カ所ある耳鼻咽喉科と提携しているそうです。区の指定耳鼻科で聴力の検診を行い、その結果、必要と認められた方に、補聴器をその場で支給します。そして、公費で補聴器現物支給を受けた方対象に、毎週金曜日、メーカー、言語聴覚士が区役所で、機種の調整も行うとのこと、5年から10年は使用できるとのことでした。
 この点でも川崎市はずいぶん遅れているのではないでしょうか。

意見要望です。
 本市においても、加齢性難聴高齢者への補聴器助成制度の創設することをあらためて求めます。そそのためにもして、市立3病院の専門家体制の充実とともに、医師会とも連携するなどして、加齢性難聴者が、いきいきと社会参加できる条件を整えていただくこと強く要望し、引き続きとりあげていきたいと思います。