議会活動報告

2021年川崎市議会第4回定例会(12月議会)詳報・その3

2022年1月21日

川崎市議会 第4回定例会(12月議会)/12月17日の一般質問で、おおば裕子議員が行った〈生活保護制度の利用について〉の質問は、次の通りです。

(3)生活保護制度の利用について、健康福祉局長に伺います。

大庭 質問①
新型コロナ感染拡大が心配されるなか、2度目の年末を迎えます。倒産・解雇、女性の自殺の急増など多くの人たちの生存権がおびやかされています。生活保護を必要とする方が安心して相談して利用できなければなりません。
そこで家族などに連絡する扶養照会についてです。
生活保護を利用し始めてから、遠くに住む高齢の姉のところに、扶養照会の連絡が入って、心を痛めているとの相談がありました。保護利用後に本人に確認することなく扶養照会が実際おこなわれているのか、改善すべきですが、伺います。

健康福祉局長 答弁①
生活保護についての御質問でございますが、
扶養能力調査につきましては、調査に先立ち、申請者から、扶養義務者の有無や、その職業、収入等を聞き取り、扶養の可能性が期待される方に対して、国の通知に基づき、訪問による聞き取りや書面の郵送等で照会を行っておりまして、調査にあたっては、事前に照会を行う旨を御説明しているところでございます。

大庭 質問②
保護利用者が扶養紹介について、本人が納得し了解しているかにかかわらず、扶養の可能性があれば家族等に連絡するということです。
生活困窮者の支援活動をおこなっている「つくろい東京ファンド」が2020年12月31日から21年1月3日、炊き出しや相談に来られた方165人に「なぜ保護を利用していなかったのか」のアンケートをとったところ「家族に知られたくない」が34.4%、ついで「過去に役所で嫌な対応をされた」が22%でした。扶養照会が生活保護の利用の壁となっていることが国会でも議論となり、今年の3月に厚労省は、実務運用を改訂し柔軟な運用が可能となりました。その主な内容について、伺います。事情により、面接時に扶養照会を断ることも可能ということでいいのか、伺います。

健康福祉局長 答弁②
生活保護についての御質問でございますが、
はじめに、令和3年3月30日に発出された扶養能力調査に関する国からの事務連絡は、調査の手順及び、扶養義務者について扶養の可能性が期待できない者と判断する際の基準を明確にしたものでございます。
次に、申請者が扶養照会を拒んでいる場合等につきましては、国の事務連絡において、その理由について特に丁寧に聞き取りを行い、照会の対象となる扶養義務者と10年程度音信不通であるなど「扶養の可能性が期待できない者」に該当するか否かという観点から検討を行うこととされているところでございますので、引き続き、国の通知等に基づき適切に実施してまいります。

大庭 質問③
2019年度に実施した扶養能力調査の結果では金銭的援助の申し出があったのは7件で、その割合は0.16%で、扶養紹介をしても援助など、扶養義務者の親族はできないという事です。「扶養の可能性が期待できない者」に該当するか否かという観点から検討しているとのことでしたので、面談で明らかに扶養の可能性が期待できないとわかれば、扶養紹介はやめるよう求めておきます。
そこで、生活保護のしおりについてですが、
扶養照会については、家族への連絡は、生活保護利用の条件ではないことをて明確するよう改善すべきです。
小田原市のしおりでは、「親族の扶養は可能な範囲の援助を行うものであり、援助可能な親族がいることで生活保護の利用ができないということにはなりません。」と、親族に連絡されたら困るという方も「親族の扶養は可能でなくても保護が利用できる」と、読み取れます。本市のしおりも同様の趣旨で明記されていますが、小田原市のように、利用者に寄り添った内容に全体を見直すべきです。伺います。

健康福祉局長 答弁③
生活保護についての御質問でございますが、
「生活保護のしおり」につきましては、扶養義務の取り扱いを含めその制度内容が正しく伝えられるよう、また、広く確実に周知できるよう、職階ごとの会議等において、福祉事務所職員や相談者等から寄せられた意見等を十分に共有、検討することなどを通じて、定期的な見直しを検討しているところでございます。引き続き、生活保護制度を市民の方に正しく理解していただけるよう努めてまいりたいと存じます。

大庭 質問④
 次に、生活保護の申請書についてです。
 区役所では、住民票や印鑑証明の申請書は手に届くところにありますが、それが生活保護の申請書は置いてなく相談するため、生活保護の申請の相談に来たのに、【だいJOBセンター】などの窓口を紹介されることもあります。利用しやすい環境をつくるためにも、手の届く窓口に申請書を設置すべきです。伺います。

健康福祉局長 答弁④
生活保護についての御質問でございますが、
生活保護の相談・申請につきましては、相談者の抱える課題は複雑多岐にわたることから、専門の面接相談員が丁寧に聞き取りを行うとともに、法の趣旨や制度について十分に説明し、保護申請の意思を確認した上で、申請の意思が確認された方に対して速やかに申請書を交付し、申請手続きを行っているところでございます。 また、明らかに生活保護の適用とはならない方に対しましては、一人一人の状況に応じ、必要な場合には、【だいJOBセンター】を含めた関係機関と連絡を密にしながらさまざまな社会資源の活用ができるよう、生活全般についての総合的な支援を行っているところでございます。
面接相談を希望されず生活保護の申請意思を示されている方につきましては、速やかに申請書の交付を行っているところでございまして、引き続き、申請者の申請権を侵害することのないよう適切に対応してまいります。

大庭 意見要望
申請書については、区役所に何度も足を運び相談を受けれると限りません。申請書がどんな内容のものかも知らない方が多いのですから、保護を必要としている方が速やかに申請できるよう検討を求めておきます。
生活保護のしおりついては、これまでも憲法25条の生存権の明記、不正受給の説明の削除、個別の事情によっては自動車やオートバイの保有も認められることを明記するなど、対応をしていただきました。
 コロナ禍の影響がくらしに影響する年度末に向け、引き続き、内容の改善を要望しておきます。