高校卒業生の就職状況について市立川崎高校(全日制・定時制)に行ってお話しを聞いてきました。(5月24日)
今年の1月から市立の各高校に出向き就職状況を聞いています。5校目最後となる川崎高校に行き、全日制・定時制のそれぞれの教頭先生・就職担当の先生からお話しを伺ってきました。
全日制でこの春卒業した高校生は、30名(3月末時点)が就職しました(内定率は96.7%)。昨年9月は、求人が少なく厳しい状況にあり、ハローワークから出される求人票をみて、「長く働き続けられるか心配になるような求人が多数あった」とのことです。1回で内定が決まる生徒もいれば、2回3回と面接を受けてへこんでしまう生徒たちに、モチベーションを維持させるために励まして努力がされている先生たちには頭が下がります。
川崎高校の全日制は、福祉課、生活学科、普通科があります。福祉科では、介護福祉士の資格を35名中34名(97%)が取得をし、福祉施設に就職を決めているとのことで、資格をとるために生徒たちは頑張っているそうです。在学中の3年間に13週間の福祉施設の実習が課せられ、その実習先に就職する生徒もいます。施設実習の経験が職業意識につながり、就職したあともミスマッチで仕事をやめてしまうということはほとんどないとのことでした。
指導の中では、ホームルームの時間を利用して企業の専門家を招いて職業観をもたせるなど工夫しているとのことです。「アルバイトと就職とは違うんだ」ということを伝えているそうです。
しかし中には経済的な理由で、進学のためにアルバイトをして学費をためるという生徒もいて、先生がたもつらい状況にあることも出されました。
定時制は、この3月卒業したのち就職が決まり、就職率は81%に。就職が決まらなかった生徒の中に、アルバイトで2年から3年働いて正規雇用になることを条件に職についたという人もいました。就職の内定が決まるまで、複数回の面接を受けて内定をもらう人は6割だったとのことです。中学校の時に不登校だったという生徒も複数いて、4年間の学校生活の中で生きる力をつけて成長し、就職するまでに至ったという、心温まる話もされました。特に面接では、コミュニケーション能力が問われる中で、先生たちもカルテを作成して、繰り返し練習するなど様々な努力がされている様子をお話ししてくださいました。
お話しを伺い、希望する求人数が少ないことやキャリア教育(労働者の権利を学ぶことも含め)の充実と未就職卒業生への対策など、課題も見えてくる内容でした。