おおば裕子
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後期高齢者医療県広域連合議会 陳情第 1号 賛成討論の全文を掲載

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  県広域連合議会に対して、神奈川県社会保障推進協議会から陳情が提出され、賛成討論を行いました。以下全文です。

 

  私は、神奈川県社会保障推進協議会より出された、陳情第1号「後期高齢者が安心できる医療の確立に向けた陳情書」について、賛成し討論を行います。

ある82歳になる高齢者の女性は、「持病があって、いくつもお医者さんに通わないといけないが、お金のことを考えると行けません。今も食べるものも切り詰めてやっとの思いで生き延びているんです」と、訴えられました。わずかな年金の中から保険料を支払うということが、高齢者にとってどれだけつらい負担になるのか、保険料がこのまま上がり続ければ、滞納者がますます増えていくことの深刻さについて対策をはかるべきです。しかし、神奈川県広域連合は、負担を軽くする努力を十分してきたとは言えません。

2011年10月、国から広域連合に対し、「保険料の増加を抑制するための対応を行うように」と剰余金の活用、財政安定化基金の活用、県・市町村から財源繰り入れなどの実施について示されました。しかし、神奈川県広域連合では、剰余金45億円は全額取り崩したものの県の財政安定化基金は、全体の60億円のうち活用したのは40億円で、剰余金を合わせれば合計85億円です。一方、東京の広域連合は、区市町村の負担による独自策として、①審査支払い手数料分の負担②葬祭費分の負担③保険料未収金補てんの負担④財政安定化基金拠出金分の負担の4項目を、引き続き2012年度2013年度の2年間で約203億円を保険料の増加を抑制するものです。そこに財政安定化基金約206億円の取り崩しを合わせると2つの対策だけで約409億円になります。神奈川県広域連合でもあらゆる手立てを講じて次期保険料の引き下げをすべきです。

また保険料減免についても東京都広域連合は、賦課のもととなる所得金額が15万円以下の場合なら所得割額で100%軽減、20万円以下なら75%軽減にして、独自の措置をとり、これらに伴う財源約3億円と1部は区市町村が負担をしています。県広域連合も独自の軽減策が必要であることからも、陳情に出されている生活保護基準の130%以下を対象とした保険料減免制度の創設の実施は当然です。

一部負担金減免制度については、陳情文にもあるように、高額な保険料に対して不服審査請求数が2012年度76.2%に上ることからいっても、周知徹底を図り、利用できる制度に改善することは、当然のことです。

短期証の交付については、川崎市社会保障推進協議会が川崎市の大師支所の保険年金課との懇談の中で、対象者50件すべての事例を検証した結果、発行がゼロになりました。優先すべきことは、「滞納者への制裁措置」ではありません。必要なのは、滞納者に対する相談機能を確立させるなど、利用しやすい一部負担金減免制度の周知徹底です。「どんな高齢者も医療から排除されることがないよう」に、短期保険証の交付は中止すべきです。

以上の立場から本陳情の趣旨について、採択することをよびかけ、私の討論を終わります。