③雇用の安定と正規労働者を拡大する対策について(予算審査特別委員会の質問)
最初に若者の雇用を支援する若者サポートステーションの予算についてです。2013年の労働力調査では、 15歳から34歳の若年層人口に占めるフリーターの割合は6.8 %と前年より0.2 %増え、調査を始めた2002年以降で最も高くなっています。川崎市の 2012年10月の国の労働力調査によれは、15 歳から 39 歳までの非労働力人口のうち、通学、家事を行っていない者、若年無業者いわゆるニートは、川崎市の人口比率で推計するとおよそ 1万 1000 人。引きこもりは、およそ 9000 人とのことです。若者のニートや引きこもりの背景には、教育問題、家族問題、地域社会の崩壊、労働市場の厳しさや貧困など複合化した社会課題があり若者支援は総合的支援が必要であると、議会でも強調してとりあげてきました。そこでかわさき若者サポートステーションについてですが、2010年7月からスタートした若者サポートステーションに来所した相談件数は、 2013年度は 1,872 件、 20 14年度は 12月時点で2,042 件と年々に増加し、ニーズは高まっています。 2013年度は学校連携事業として川崎高等学校定時制課程をモデル校に指定し、相談員が定期的に来校して、相談や各種セミナーの開催。また、就業に結びついた人の定着支援の実施など相談者に寄り添い様々な支援を行っています。ところが、この若者サポートステーションは、単年度決算の国の事業であるため、次年度継続できるのかどぅか、就業支援を行っているスタッフ自身が不安定雇用におかれていることは、矛盾しています。短期間で就業にいたるものではなく専門性や継続が求められる事業です。昨年、相模原市では国の動向に左右されることなく、若者の雇用の安定をはかるために市独自で判断し継続できるよう予算組みをしました。川崎市においても実施すべきと思いますが、伺います。
◎答弁① 経済労働局長
かわさき若者サポートステーションについての御質問でございますが、雇用情勢は回復傾向にあるといわれておりますが、無業の状態にある若者は依然として厳しい状況に置かれており、全国において「地域若者サポートステーション」の果たす役割は大変重要であると吉えております。「地域若者サポートステーション事業」は、厚生労働省の事業として、毎年度、委託先の業者選定を行うものとなっておりますが、継続性が求められる事業内容であるることから、平成23年10月に開催された「第37回県・横浜・川崎・相模原四首長懇談会」において、「若年無業者に対する就労支援策の拡充についての要望」が合意され、国に対し、委託期間を複数年度に改め、国費事業の対象範囲についても拡大するよう、要望を行ったところでございます。今後につきましても、近隣の自治体と連携を図りながら、「かわさき若者サポートステーション」の継続的、効果的な事業実施について、検討を重ねてまいりたいと存じます。
◎要望・質問②
相模原市は独自に検討して、判断したとのことですので、川崎でもぜひ検討をしていただきたいとこれは要望しておきます。次に、若者の雇用、新卒未就職者就業支援について伺います。2014年度の補正予算で新卒未就職者就業支援事業120名分が計上されています。この事業は、2011年から国の事業として毎年実施され丸 3年目になります。2013年度の2期生 29名は現在研修中です。2013年11月の1期生まで285名が約4か月の研修を受け、ごれまでに 248 名。全体の87 %が正規雇用にむすびついたとのことです。新卒者が自らの能力や技術を身に着けて働くことができるように期待するところです。しかし、一方で苦労して正規で就業につながったとしても、3年未満で離職するという若者も増えています。厚労省いても、川崎市として雇用の定着ができているか調査をして、適切な支調査によると 2010年3月卒業者で中学62。1%、高校39.2%、大学31.0%です。川崎市では、こうした現状もふまえ、 2013年度からかわさき若者サポートステーションで定着支援の事業も実施しています。そこで、3年目をむかえ新卒未就職就業支援事業で就職した新卒者についても川崎市として雇用の定着ができているのか調査をして、適切な支援を継続的に行うべきと考えます。また、就業先については、市内の企業が 2 割ほどで圧倒的に市外企業に就職しています。市内企業に対象を拡大していくことはできないか、伺います。
◎答弁② 経済労働局長
新卒未就職者等就業支援事業についての御質問でございますが、はじめに、本事業を通じて就職した方の定着調査についていてでございますが、若者の就職支援におきましては、就職決定だけでなく、継続して働くことが重要であると認識しておりますので、今年度、本事業を通じて就職した方につきましては、個人情報保護に十分配慮を行ったうえで、就職後の状況把握に努めてまいります。
次に、本事業の参加企業の状況についてでございますが、受託事業者による企業開拓に加え、本市も経済団体や市内企業へ積極的に周知することで、開拓企業に占める市内企業の割合は年々増加しており、平成23年度が19.8 %、平成24年度が20.6 %、平成25年度が33.3%となっております。今後につきましても、若手人材の確保により、市内企業の活性化を図っていきたいと考えておりますので、様々な機会を捉えて、積極的に事業の周知を行ってまいりたいと存じます。
質問③
女性の雇用についてです。2014子育て世代が安心して仕事が探しをおこなえる環境を整えるために、「キャリアサポートかわさき」に託児機能を設ける予算が、計上されました。女性のキャリアカウンセラーと求人開拓員による多様な働き方に合わせた就業相談や子育て支援サービスの案内を新たに実施して女性の就業を支援するというものです。そもそもキャリアサポートかわさきのフロアが狭すぎます。子どもを連れてこられる環境にありません。整備手法について、スペースを広げて、安心して相談できる窓口にすべきです。伺います。
◎答弁③ 経済労働局長
「キャリアサポートかわさき」の窓口の拡充についての御質問でございますが、現在は「てくのかわさき」の5階のスペースに加え、利用者の利便性を吉慮し、市南北の2区役所にて相談窓口を開設しております。今後につきましては、女性専門の就業相談につきましても、「てくのかわさき」内等にも新たな相談スペースを確保する予定でございますので、相談窓口全体の利用状況を踏まえ、さらなる相談者の利便が図られるよう対応してまいります。
質問④
最後に、市長に正規雇用の拡大について伺います。就業マッチング事業を実施する「キャリアサポートかわさき」で話しを聞いてきました。就職が決まったにもかかわらず退職をされたという方の理由の1番は絲合与額、残業時間・勤務時間等の雇用条件が異なっていた」 2番目に「仕事がついていけなかった」などがあげられたとのことです。男性は「正規の職員・従業員の仕事がないから」の占める割合が最も高2013年度の登録者の希望雇用形態と実際に就職採用決定者の雇用形態をみると正社員の希望者は全体の42.9%に対して、決定率は35.4 %と 7.5 %低くなり,パートアルバイト希望者は2 2.1%に対して決定率38.1%と、16%高く、希望通りに雇用形態に結びついているとは言えません。正規雇用として採用に結びつくのは登録者全体の約1割とのことで、依然厳しい雇用情勢です。正規雇用で働くことができる求人を抜本的に増やすことです。市長は、 12月議会において「経済団体や市内企業の経営者との意見交換の場など、様々な機会を通じて、正規雇用の拡大にむけて働きかける」とのことでしたが、進捗状況について市長に伺います。
◎答弁④ 市長
正規雇用の拡大についての御質問でございますが、非正規労働者の増加や労働力人口の減少など、依然として厳しい雇用情勢力泳売いており、求職者の方々が安定した職を得て生き生きと働くことのできる地域社会の構築は、大変重要であると芳えています。正規雇用の拡大につきましては、昨年12月に、川崎工業振興倶楽部会長、川崎市工業団体連合会会長及び川崎商工会議所会頭に対して、要請書を手渡すとともに、団体傘下の企業への周知についてもお願いしたところでございます。また、川崎商工会議所との意見交換会をはじめ、経済団体との意見交換の場等におきましては、私から直接、団体役員や経営者の皆様に、正規雇用の拡大に向けての本市の取組への御協力をお願いしており、さらに、このような会合に副市長等が代理で出席する場合にも、正規雇用拡大に向けた協力をお願いするよう指示しているところでございます。今後とも引き続き、経済団体や市内企業との意見交換等のあらゆる機会を捉え、正規雇用の拡大に向けた取組への協力を呼びかけてまいります。
◎意見要望
呼びかけの協力だけでなく、具体的に求人開拓を正規雇用につなげるところまで、ぜひ、力を注いでいただきますようにお願いいたします。