福田市長が進める川崎港の不要不急の大開発の実態を視察!(4月15日)
3月議会の代表質問で川崎港・臨海部について、大きくとりあげてきました。
視察をした場所は、まず水江町です。対岸には東扇島のコンビナート群(右から東京電力、昭和メタル、JX日鉱日石エネルギー、東亜石油)が並んでいます。埋立地水江町から東扇島を橋・道路で結ぶ計画地も調査をするために540億円
(3分の1が市負担)をかけて実施しました。目の前に見えている東扇島に橋をかけようとしている現場に直接立ってみると怒りがわきます。川崎区選出の佐野市議いわく「市は東扇島で働く労働者と災害時の避難道路として
は、「市は道路が必要だ」と説明していますが、コンビナート工場が集積する水江町にわざわざ避難することはかえって危険だ」と指摘します。ちなみに水江町、視察したすぐ後ろには、東亜石油JX日鉱エネルギーのコンビナートがそびえ、危険であることは一目瞭然です。さらに佐野市議は「東扇島を通っている(既存の)湾岸線を使って東京側や横浜側に避難する方が安全だ」と訴え、地図をみて確認してみると納得。東京側や横浜側には危険なコンビナート群はありません。
次に向かったのは、千鳥町です。福田市長は、昨年12月、川崎区の埋め立て地の一つ、千鳥町公共ふ頭の再編整備計画を見直して、このJA全農の土地を15億円で購入し、1億6000万円かけて荷捌き地を拡大する予算を計上しました。
JA全農の土地は、2年前に米の倉庫が火災消失し、倉庫を建設しても採算がとれないことから、広大な土地(14,114㎡)が残ったままです。護岸を整備する7号岸壁にも市の職員が同行して説明を受けながら視察をしました。
そして、15億円相当の同じ千鳥町にあるか市有地に9億円かけて輸出自動車保管施設・立体モータープールも建設予定地にも行きました。この場所の平地に中古車が並んで置いてあり、丁度コンテナに車を入れているところでした。一つのコンテナになんと6台も納車するので「そんなに入るんだ」と驚きです。このモータープールというのも、なかなかみないとイメージがつきにくいものでしたが、その施設を建設するために9億という莫大なお金をだすのかと、これも一目瞭然で納得のいくものではありません。
川崎区選出のもう一人の市議の宮原さんは「市は貨物量が増えないと予測しており、荷捌き地の拡大は緊急性がない」「立体モータープールは自治体がやるべき仕事か疑問だ」と説明します。JA全農の土地をめぐって、市は当初、市有地と交換する方針で協議してきましたが、福田市長になった途端、市議会や市民に何も説明もなく、15億円をかけて購入することを決めました。経緯に不明な点が多いと宮原さんは指摘します。
三か所目に行ったのは、東扇島です。ここは、何度が訪れましたが無駄の象徴となっているコンテナターミナルがある埋立地です。ながめのいい、かわさきファズ物流センターからコンテナふ頭を見渡しました。
あらためて、9億円をかけて3期目のガントリークレーンを設置した直後に、今回視察にきたわけですが、この時も船はきておらず、動いていませんでした。3基目は、1号機と2号機の間に設置され、無理やり押し込んだという印象です。「港であらたな税金の無駄使いが始まっている実態がよくわかった」というのが率直な感想です。
さらの、廃棄物処理用地となっている掘割もこのファズからよく見えます。約12万㎡?の広さで深さが10mを埋め立てる計画です。埋立の残土はどこから持ってくるのがというのが問題です。見直しの運動が広がっているリニア新幹線の建設工事による残土をここにもってくるのではないかとも考えられています。
いずれにしても、安倍政権による国土強靭化のもとに、不要不急の大型開発がすすめられようとしていることには、間違いありません。国といっしょになって市民生活第1というのは名ばかりで、福田市長は前のめりになって、川崎港臨海部の開発事業をおしすすめることは許されません。こうした事業にお金をつぎ込むのではなく、市民が本来願いとし、現在、大幅に不足をしている認可保育園や特養ホームの整備こそ優先にして、土地を確保する予算立てをすべきです。そんな思いを強く再認識した視察でした。