おおば裕子
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県立新城高校の校舎、教育環境を視察調査しました

 校舎棟の屋根の「崩落危険箇所」は今年度中に応急策

 

6月16日、河野幸司県議、宗田裕之中原区県政対策委員長と一緒に、県立新城高校の教育環境の視察調査をしました。新城高校の校長ほか教員や、県教育委員会の担当者が同席のもと、はじめに、同校のP1040497歴史、概略について説明を受けました。

2期制で、1時限あたり65分で、1日5時限です。昨年から夏期講習を始め、約500人が参加。今年は800人が目標とのこと。教員が1教科65分で3~5コマを受け持ちます。

ここ数年の経済不況の影響について質問したところ、奨学金の受給者数は中学からが3人、高校からは23人。年々増加傾向にあるといいます。修学旅行は約10万円かかりますが、業者と保護者の契約で、学校は間に入っていませんが「影響はあるのでは」と話されました。

施設面では、同校は築47年で一度も建て替えをしていません。夏休みのほぼ1ヵ月、夏期講習を行なうのに、クーラーは3教室のみで、熱い中で生徒さんは大変だと思いました。

驚き!県立高校のクーラー設置・電気代は保護者負担

初めて知ったのですが、県立高校がクーラーを設置する場合は学校・行政ではなく、保護者が設置するのが基本で、設備のリース代(1教室で年間約10万円)も電気代も保護者負担、1人月800円ほど徴収されるそうです。学校は関与せず、PTAと業者が直接契約する仕組みということです。県がいかに高校に予算をかけていないか、あ然としました。新城高校は基本的にクーラーを設置していないので、現在の3基については保護者負担ではないそうです。

P1040514 校舎の老朽化問題に話が移ると、校長は「保護者の願いは生徒の安全安心の確保が一番です」と語りました。昨年10月22日に、校舎棟の屋根のひさしが剥がれ落ちているのを朝に発見。その日のうちに県教育委員会に安全対策を要請しましたが、そのままとのことです。現場を見ると「崩落危険」「立ち入り禁止」のポスターがたくさん貼ってあり、ポールとロープで立ち入り禁止にしていました。落ちた破片がそのままだったので、「なぜ破片をそのままにしてあるのですか?」と訪ねると、学校側は「そのまま置いたほうが生徒に危険を知らせることができる」と説明されました。

「立ち入り禁止で生徒まかせにするだけでなく、屋根に落下防止のネットを張ると か落ちない対策は」と聞くと、県教委は「こうした場合は立ち入り禁止が精一杯の対P1040510策です」と述べ、この 日、業者に調査させ、今年度中に応急処置(落ちそうな場所を叩いて落とす)を行なうと約束しました。

校内の施設を見学して歩き、カベが剥離した箇所、雨漏り、穴が開いた箇所もありましたが、県教委は「新城高校は序の口で、いい方です。県内にはもっとひどい学校がいっぱいあります」と平然と語りました。教育予算が不足していることに県教委も「お手上げ」「あきらめ」のような気分になっているのかなと感じました。新城高校前の雨水菅工事で何回も起きた陥没・地盤沈下事故で被害が出た箇所や、図書室なども見学しました。

仮設校舎建設で校庭が狭くなり部活動に影響が出るため、校長が「職業技術校跡地の利用を県に要請した」と

  もうすぐ開校50周年を迎える同校は近々、校舎改築の対象になっていますが、何年度かは公表されていません。校長が県教委に「早くやってください」と迫る場面も。今年10月から仮設校舎の建設が始まりまP1040526すが、校庭が大幅に狭くなり部活動などに影響がでるため、校長は代替施設を探して苦労しているとのこと。私が「下小田中の職業技術校跡地が利用できるといいですね。同じ県同士ですから」と話すと、校長も「あそこを使わせてほしいと私が県に要請しました」と経過を話されました。

 

話には聞いていましたが、今回の新城高校の調査で、つくづく神奈川県が高校・教育にお金をかけない県政であることを実感し、県予算の使い方を改めさせる必要性を痛切に感じました。参加した人からは「すぐ近くに大きな警察官舎を建てている場合じゃないですね」との声も出ました 。