川崎市内リニア新幹線の建設予定地・現地視察をしました。(9月7日)
JR東海は、東京―名古屋間を2027年に、東京―大阪間を2045年の開業を目標に、9兆円以上の資金をかけて、リニア新幹線を建設するとしています。このリニア新幹線計画は、自然環境破壊し、市民生活に影響を及ぼすことはもちろんですが、何よりも奥深い地下のトンネルを走る危険な乗り物であること。人口減少の元で孫子の代まで負の遺産のとして付けを回すことなることが懸念される無駄な大規模開発である、というのがこの事業です。日本共産党は「リニア新幹線の建設に反対する―東海道新幹線の地震・津波対策、大震災の鉄道復旧こそ」と求める党の見解を発表して、私たちはリニア新幹線の問題点を明らかにして住民のみなさんとともにリニア計画を中止させていく取り組みを進めています。
川崎市でもリニア新幹線のルートになっていることから、今回初めて畑野衆議院議員、椎葉参議院南関東比例代表をはじめとした国会議員団や市民団体(リニア新幹線を考える東京・神奈川連絡会)、党川崎市議団、党県議団で市内の16.3kmの全ルートと5ヶ所の立て坑の現地視察しました。
ルートは、品川を出発し、まず川崎市の入り口となるのが中原区です。多摩川の下を通過し、等々力緑地内に通気口となる立て坑を建設する計画です。現在はテニスコートやサブ野球場となっているJXホールディング所有の土地を買収し、建設する計画です。(写真)
連絡会の天野さんからも説明を受けましたが、ここの立て坑は、市内一番深い100mを掘削し、この土砂だけで19万トンになり、片側一車線の多摩川沿線道路にトラックが行き交うことになります。近くには保育園があり、子どもたちの安全対策など心配です。また、この等々力緑地は災害時の避難場所にもなっており、なぜここに立て坑を建設するのか、避難時の妨げになることも懸念されます。等々力緑地と言われていますが、緑のない緑地にどんどん変わり果てていくような印象を持ちました。
2ヶ所目は、宮前区梶が谷のJR貨物梶ヶ谷ターミナル駅内(写真)です。ここは2つの立て坑が建設される予定です。立て坑の土砂だけでなく、トンネルを掘った土砂をここから掘り上げていくため巨大な敷地が必要となります。一ヶ所の立て坑で5000㎡の敷地を要するとのことです。隣接するコカコーラの工場も壊して立て坑の敷地として規模を拡大するようです。この周辺には大型のマンションが多数林立し、工事による騒音や粉塵などの市民生活に影響を与えることになります。また、同時にこの地域は246道路が通っており自動車の排気ガスが多く、近年ぜんそく患者が増えている地域でもあります。トラックが走行する台数が拡大し、健康破壊も心配されます。
3ヶ所目は、宮前区犬蔵3丁目のサンワ川崎工場用地内に立て坑予定地を視察しました。(写真)この会社の本社と工場が幹線道路沿いあるため、車の交通量が多く、土砂を運ぶトラックの出入りを想像してみただけでも、市民の生活に多大な影響が及ぼす地域です。この会社は、現在も営業しています。立て坑建設のよって会社どうなるのか移転先は決まっているのか、気になるところでもあります。
私は、ここまで3ヶ所を視察しましたが、この後は麻生区東百合ヶ丘3丁目のJSR東京研究所跡地、麻生区片平の鶴川総合運動場の立て坑予定地を本村衆議院議員、宮本衆議院議員が合流して見てまわりました。
連絡会の天野さんは、16.3㎞と短い距離に5ヶ所の立て坑を建設するというのも川﨑ぐらいだと話されていましたが、改めて40mの地下を走るリニア新幹線は中々 住民にはわかりにくい事業ですが、立て坑建設予定地を見ることで、今後、市民にとって大きな影響が出るということを実感することができま
した。市内で400万トンの土砂を掘削し、4トントラック100万台市内走ることになります。市民にとっては何のメリットもありません。
リニア新幹線についてアンケート調査を天野さんが一つ紹介してくれました。リニアを利用するのは、国民の1割で、「死ぬまでに1回乗ればいい」という声が多いのが特徴だったとのことです。これは中止にすべき事業です。