2022年 第3回川崎市議会定例会(6月議会)詳報・その4
第2回川崎市議会定例会(6月議会)/6月27日の本会議・一般質問で、おおば裕子議員が行った〈ジェンダー平等と女性の支援策について〉の質問は、次の通りです。
(4)ジェンダー平等と女性への支援について
●男女の賃金格差の公表の是正についてです 。
大庭 質問①
ジェンダー平等を実現するカギは、経済的な不平等をなくすことです。 日本の女性の賃金は、非正規雇用を含む年間平均賃金では、男性との差は約240万円、40年勤務として計算すると男女の差は、およそ1億円になります。わが党は、格差解消に向け企業に格差の実態の公表を義務付けることを求め続けてきましたが、6月3日政府は、常時雇用する労働者301人以上の企業に男女賃金格差の公表を義務付ける方針を決定し、重要な一歩を踏み出しました。
そこで、市内労働者301人以上に該当する事業所数、男女の人数、主な産業について伺います。労働者の101人から300人の企業については、今回の施行後を踏まえて、検討するとしています。同様に事業所数など、経済労働局長に伺います。
経済労働局長 答弁①
市内事業所等についての御質問でございますが、
平成28年経済センサスによると、従業員が「300人以上の本市の事業所数」は、160事業所でございます。この調査結果からは、製造業が最も多く、以降、情報通信業、医療・福祉の順になっており、男女別従業者数は、男性が9万910人、女性が 3万4千698人でございます。
次に、「100人以上300人未満の事業所数」は、436事業所でございまして、卸売業・小売業が最も多く、以降、サービス業、製造業の順となっており、男女別従業者数は、男性が4万5千197人、女性が2万5千565人でございます。
大庭 質問②
開示は、制度を改正したうえで7月に施行し、決算時期などに応じて事業年度の実績とのことです。速やかにすべて事業者 業種で「男女の賃金格差をゼロ」にしていくことが必要です。
男女賃金格差を解消にむけて、本市の「キャリアサポートかわさき」が、ブラック企業と公表されている企業には、求人 開拓の紹介の対象にしないことを仕様書に盛り込んだように、男女の賃金格差の公表に位置付けるべきです。 経済労働局長に 伺います。
経済労働局長 答弁②
キャリアサポートかわさきについての御質問でございますが、
「キャリアサポートかわさき」における就業支援については、専門の求人開拓員が求職者のニーズを踏まえ、地域に根ざした企業を求人開拓し、求入情報をキャリアカウンセラーが求職者に対し、紹介しているところでございます。求職者にとりましては、就職先を決める上で、賃金や待遇等に関する情報が大きな要因となりますことから、今後、国の施策の動向等に注視しながら、対応を検討してまいりたいと存じます。
大庭
今後も注視していきたいと思います。
●南武線の女性専用車両について伺います。
大庭 質問③
2016年の6月議会で女性専用車両導入について質問しました。当時副市長は、女性専用車両の導入については、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議の機会を通じ、要望していくとの答弁がありました。その後の動きについて、街づくり局長に伺います。
警視庁の調べでは、2019年に東京都内で発生した痴漢(迷惑防止条例違反)のうち、45%が電車で起きています。都内の高校生の調査(2022年1月実施)によると、コロナ禍で乗客が少なかった時期にも関わらず、女子生徒の26.5%、4人に1人の生徒が痴漢被害に遭ったことがわかったとのことです。被害に遭った生徒の40%が「誰にも相談しなかった」と回答し、女性専用車両の必要性を訴えています。本市においてJRなどに要請していく必要があると考えますが、伺います。
まちづくり局長 答弁③
南武線についての御質問でございますが、
女性専用車両の導入につきましては、神奈川県鉄道輸送力増強促進会議を通じ、JR東日本に対し要望しているところでございます。同社からは「導入にあたっては、賛成や反対など様々な意見があり、男性利用者を含め十分な理解を得る必要があることから、今後の利用状況を 勘案しながら、安心して利用できる車内環境を提供できるよう検討する。」との見解が示されております。 本市といたしましては、引き続き、導入について同会議を通じて要望してまいります。
大庭 質問④
賛成や反対様々な意見があるとしていますが、JR東日本では、首都圏では京浜東北線を含め8路線で女性専用車両があり矛盾した見解です。
川崎市の動脈となる南武線には、200名を超える西中原中学校の生徒などがラッシュ時に利用しています。都内の調査でも明らかなように、痴漢にあっっても「誰にも相談できない」という生徒が存在していることは十分考えられます。痴漢は性暴力です。学校の中でも相談がしやすい環境をつくることをはじめ、7時半から8時までの生徒が乗車する時間帯、武蔵新城駅から武蔵中原駅または武蔵小杉駅間まで、後方車両を優先するなど、JRに交渉できないか、教育次長に伺います。
教育次長 答弁④
南武線での通学についての御質問でございますが、学校では、定期的にアンケートや対面での教育相談を行い、悩みや心配事を相談できる機会を設けるとともに、朝の挨拶活動等において、登校してきた生徒の表情等を観察し、気になることがあれば声をかけるなど、積極的 に生徒の状況を把握するよう取り組んでいるところでございます。教育委員会といたしましては、生徒が安心して相談できる環境を整えるよう、引き続き、各学校に周知してまいります。
(以下、時間オーバーで言えず)
大庭 意見要望
日本共産党東京都議団の調査では、初めて痴漢被害にあった年齢は18歳以下が71.5%でした。アンケートや聞き取り調査等を行うなど市として実態を把握し、性被害を根絶することが必要です。引き続き取り上げてまいります。
終わります。