おおば裕子
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2023年 第1回川崎市議会定例会(3月議会)詳報・その2

第1回川崎市議会定例会(3月議会)/予算審査特別委員会で、おおば裕子議員が行った質問は、次の通りです。

2:川崎市総合自治会館跡地等の事業について

2、川崎市総合自治会館跡地等活用事業について、健康福祉局長とまちづくり局用に、伺います。

質問① おおば

 総合自治会館等跡地には、この3月からコスギアイハグとして新しく施設が整備され開設がされます。

跡地の活用については、地域住民の意見要望をいかしてもらいたいと、地域での懇談また議会でも繰り返し取り上げてきたところです。事業の進め方についても、民間主導で計画が先行され、市民の要望が充分反映されないことについて、議会などで意見を述べてきました。市民が求めてきたことが、反映されているのか順に伺います。

まず、高齢者が活用できるスペースについてです。

地域住民は、数少ない市の公有地を活用して、今井地域にいこいの家を

整備してほしいと強く要望しました。議会の陳情審査では、委員からの賛同を得て主旨採択となったにもかかわらず、整備にいたりませんでした。それでも市民や地域のみなさんは「高齢者が活用できるスペース」を設置してほしいと、粘り強く市や事業者にも交渉などを行い、スペースが確保されることになりました。事業内容について、伺います。予算の額、内訳、運営の責任者はどこが行うのか、伺います。

健康福祉局長 答弁①

総合自治会館跡地の活用についての御質問でございますが、

「いこいの家・老人福祉センター活性化計画(1RAP)」では、他の公共施設等の活用によっていこいの家機能を広く展開するための取組を推進することとしておりまして、総合自治会館跡地に建設される「KOSUGI HUG」内に整備される地域交流スペースにおいて、令和5年度からシニア向け無料開放事業を実施する予定としております。事業内容につきましては、週2日の午前中、主に60歳以上の方で構成される団体からの利用申込を受け、無料で当該スペースを貸し出すとともに、週1日、午後の時間帯で「いこい元気広場事業」を実施するものでございます。令和5年度予算には当該スペースの借り上げ料120万2,000円を計上しておりまして、予約管理や利用団体との調整については本市が行い、施設利用にあたっては、施設管理者が定めるルールに従って御利用いただくこととなります。

質問② おおば

 次に、災害時に避難場所としての活用の要望もありました。

 芝生や施設内も含め避難場所として活用できるということでいいのか。伺います。災害時は、一時的な避難場所として活用するとのことです。各避難所への誘導を含め市の役割はどうなるのか、伺います。マンホールトイレの整備などについて伺います。災害時の避難場所であること表示をすべきではないか、伺います。

まちづくり局長 答弁②

 災害時の取り組みについてのご質問でございますが、

市、医師会、近隣町会と事業者が令和4年3月に締結した「災害協力の要請を受けた場合は、広場や施設使用に関する協定」に基づき、市等から協力の要請を受けた場合は、広場や施設場所として、必要に応じ活用できることとしております。

 次に災害時の本市の役割につきましては、本協定に基づき、医師会や近隣町会と連携し、施設の利用や備蓄物資、資機材の提供などについて、速やかに事業者等に協力を要請してまいります。

 次に災害時に使用できるトイレにつきましたは、公共下水道普通時でも、切り替え操作により利用できる非常用汚水槽付きトイレを設置しております。その他、ペットボトルの水などに備蓄に加え,二ヶ領用水等の水を飲料用に浄化できる災害対策用小型造水機を設置しておりました、ともに地域の防災機能を補完できるものと考えております。

 また、災害時に一時的な避難場所となることの周知につきましては、案内看板に利用可能な胸を表記するとともに、イベント等で周知してまいります。

質問③ おおば

次に育児と健康をトータルでサポートする施設が整備されます。産前産後の宿泊ケア施設では、「産後ケアの充実」の要望が助産師会からだされてきたところです。現時点で7床を整備しそのうち1床を助産師会に加入する助産師が実施する産後ケア事業に利用するよう検討しているとのことです。同じ施設の中でサポート体制に違いがでるのか、料金設定などはどうなるのか、伺います。利用しやすい料金にしていくべきと思いますが、伺います。

まちづくり局長 答弁③

産前産後ケア施設についての御質問でございますが、

産後ケア事業を利用する場合におきましては、

基本的 なサービス・料金等に・一定の規定がございますが、産後 ケア事業を利用しない場合は、基本的なサービスの他に、多様なニーズに応じた事業者独自のサービスを受けることができると伺っております。

また、料金設定等につきましては、事業者の経営判断等によるものど考えております。 

質問④ おおば

 サポートする施設内に保育施設を整備することについてです。この跡地活用の要望の1つとして、園庭のある保育園の整備をと求めてきた経過があります。事業計画がだされたときも保育施設と説明がされるだけで、どんな事業なのか、資料にも、いまだ検討中となっています。明確にならない理由について伺います。

まちづくり局長 答弁④

 保育施設についてのご質問でございますが、

 当施設につきましては、コロナ禍など社会情勢の影響により想定していた保育施設の入居が困難となり、現在、運営スキームを含め、導入に向けた検討を行っていると事業者から伺っております。

質問⑤ おおば

改めて、この敷地についてです。本市は2023年度から20年間、事業者と「事業用定期借地権設定契約」を行うということなので、市の公有地であることに変わることはないとのことです。事業者は、本市に借地料を年間276万円支払うことになります。この額についてあまりに格安ではないのか、伺います。額の変動はないのか、途中で事業が継続できない場合は、どうなるのか、伺います。市民が不利益になることはないのか、伺います。

まちづくり局長 答弁⑤

 借地料等についての御質問でございますが、

はじめに、事業者が負担する借地料につきましては、既存建物の解体や、広場の整備、高さの上限を設ける建築条件などを考慮した不動産鑑定により最低価格を設定した上で、公募において決定しており、原則として事業終了まで変わらない契約としております。

次に、事業の継続性につきましては、事業者選定の際に、財務状況や事業内容などから、「長期間の継続性が期待できる」と民間提案審査部会で評価していただいているところでございます。今後につきましても、モニタリングを通じ、施設や広場などの管理、賑わいの創出・魅力の向上などについて、事業者のサービスの提供状況を、市が毎年、確認し、必要に応じて事業者へ是正を求めることにより、サービスの質や継続性などを確保してまいります。

 

意見要望です。

 高齢者のシニア向け交流スペースです。立地条件や60歳以上と対象が広がっていることから予約がとれないことが十分予想されます。中原区内の7つの老人いこいの家の利用者は、平均年間利用者は6000人を超えています。高齢者人口からいっても、いこいの家は必要な施設です。市長も過去の答弁で重要と答えているのですから、土地を確保し整備を求めておきます。

 保育施設や産後ケア事業は、全体事業が開設する直前にもかかわらず、事業の内容が示せないというのは、今後の先ゆきに不安が残ります。本市の事業であれば、市民に説明がなされるところです。市民に対し、本市から共同事業体の代表企業に説明をするよう求めておきます。今後も注視していきます。

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